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お茶コラム『朝茶はその日の難逃れ』 No.17

開発区の夜に

開発区の夜に

岩崎です。
先週上海―北京―上海と出張してきました。
大きな国は移動するだけで大変です。
 
久しぶりの冬の北京。
暖冬とはいえ外は零下4℃。
ホテルに向かう際、タクシーは何度も道を間違え、携帯で道を訊ね、やっと21時過ぎに到着。
工業団地の真中の暗闇にそれは建っていました。
建物は新しいが、灯りも薄暗い。
心細い出張先の夜です。
 
チェックインし、中の食堂で遅い夕食を摂ることに。
「22時には閉めるよ」といきなり念を押され数品と北京名物燕京ビールを注文。
暖房も既に切られ、ビールも冷蔵庫を開錠して持ってくる状態。
「やっと終われると思ったのに・・・。」という感じです。
 
料理の前にはお茶が出てきました。
北方に多い茉莉花茶です。
正直普通の茉莉花でした。
しかし飲んだ途端!
私は10余年前に初めて中国(北京)に来た時のことを思い出したのです。
 
あの時の街の雰囲気、ニオイ、旅行の楽しさ、ケンカ、旅中出会った人々、食事の美味しさ・マズさ、街角に流れていた音楽や街頭広告・・・頭の中は一気に10余年前に飛びました。
 
そうなのです。
 
食べ物、お酒、人など「○○を食べると××を思い出す」、「△△さんを見ると☆☆君が思い浮かぶ」ってありますね。
 
しかし、タイムスリップかの如く、あの雰囲気、出来事、人、声、音、時代と総合的に思い出し得るものは「お茶」以外にあるでしょうか?
 
色々考えましたが他には思い当たりませんでした。
強いて言えば・・・・「音楽」・・・かな?
そう思うとお茶と音楽ってなかなかのモノじゃないですか!?
 
そういう何かを思い起こさせるお茶、音楽を皆様はお持ちですか?
その数や思い出が多ければ多い程、ヒトとして深いような気がしました。
 
(冷たーい燕京ビールと暖かい数品は幸いにも美味しく、出張先の疲れも和らぎました。)