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お茶コラム『朝茶はその日の難逃れ』 No.236

石臼と茶臼の違い、ご存じですか?

石臼と茶臼の違い、ご存じですか?

皆さん、こんにちは。あいやの本多です。

石臼碾き、という言葉を耳にすることがあると思います。

石臼碾きはすごくよいもの、というイメージがありますね。

しかし、あいやでは、石臼ではなく、茶臼と呼んでいます。

このふたつの違いをご存じですか?


茶臼は石臼の中でも、特殊な臼です。

石臼とは、食材を碾(ひ)くための石の臼の総称です。

上臼にある「ものいれ」という場所から食材を入れて臼で碾きます。

そばの実を碾けばそば粉になりますし、小麦を碾けば小麦粉、炒った大豆を碾けばきな粉になります。

しかし、茶臼は碾茶(てんちゃ:抹茶の原料茶葉)を碾き、抹茶を作ることのみに特化しています。

他の食材は碾けません。

その代わりに一般的な石臼に比べてはるかに細かい粒子に仕上げることができます。


なぜそこまで細かい粒子にできるのか。

その理由は、臼の構造そのものが違うことにあります。

具体的には、大きく以下の点が挙げられます。

抹茶の原料となる碾茶は、とても薄いため、中心軸の芯棒部分から投入することができます。

それに対し、そばの実、大豆などは厚みがあり中心部分からは投入できません。

その結果、中心からずれた「ものいれ」部分から投入されます。

当然、中心から碾かれるのに比べて、碾かれる時間が短くなります。

また、茶臼の場合、芯棒を伝って臼の内部に落ちる際、臼の回転によって第一次粉砕をされます。

その上、石臼よりも碾く時間が長く、さらに、溝のないフラットな縁の部分が用意されていて、

石臼に比べてより細かく仕上げることができるのです。


「石臼芸より茶臼芸」ということわざがあります。

広く浅く多芸に通じるよりは、一芸に秀でよという意味です。

茶臼とは石臼のプロフェッショナルなのです。

皆さんも、石臼碾きという言葉を聞いたら、

いや茶臼碾きの方がすごいよ、なぜなら・・・など

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